パブリックヒストリー研究会第16回公開研究会「保苅実の遺産――アボリジニ先住民の歴史実践を共同想起する」
パブリックヒストリー研究会では、節目となる創立5周年を前にして、2023年12月末に、保苅実さんの業績をともに回顧し、現在に蘇生させる試みを行いたいと思います。
ご存じのように、保苅氏はオーストラリアのグリンジカントリーの人々に対する研究調査を行うという学問的試行をはるかに超えて、日本という外部から来た異人/偉人/貴人/奇人として、彼ら彼女らと「信頼」に基づく人間関係を築き、<他者>の歴史を聴き再構築するとはどういうことか、という歴史(学)の根本にある問いを探求されました。
しかしまことに残念なことに病を得て、保苅さんは2004年5月10日にメルボルンで逝去され、私たちの手元には『ラディカル・オーラル・ヒストリー オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』(岩波現代文庫、2018年)という稀有な書物が残されています。
「パブリックヒストリー」という歴史実践がさまざまな領域で行われている今、私たちはどのように保苅氏の遺産を読み継ぎ、現在と未来を照射する手がかりとすることができるのかーーこの問いを共有する私たちは、没後20年を迎えようとする2023年末に、彼が残した言葉をともに読み解く思考を開きたいと思います。
会の詳細は以下のようになります。
日時: 2023年12月26日17時~19時 (多少の延長あり)
形式: Zoomオンライン
https://us02web.zoom.us/j/88495248480?pwd=WjNnSVBsc1pqYlZGekxndmlKODFzUT09
ミーティング ID: 884 9524 8480
パスコード: 072459
参加は自由で無料ですので、どなたでもご参加になれますから、広くご友人にお声をかけてお誘いください。
発題者:
徳原拓哉(歴史教育)
是澤櫻子(先住民族研究)
高原太一(地域研究)
粟飯原文子(アフリカ文学)
応答者:
岡本充弘
成田龍一
岩崎稔
司会進行:
本橋哲也
年末でご多忙のところ恐縮ですが、皆様のご参加を心よりお待ちしております。